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Kawasaki H2 MACHV 750SS たぶん1971年モデル 1978年x月


じゃじゃ馬マッハの最上位モデル。殺人マッハの異名をとった本当にろくでもないバイクでした。時代が生んだ化物で、二度と世に送り出されないことは間違いありません。あの当時は絶対的な加速力や最高速がともかく重視されていた時代で、凶暴なパワーを搾り出すエンジンを焼きつかせないためにオイルの吐出量が激しく、フル加速すると物凄い煙幕が立ち上りバックミラーの後ろは全く見えないという、今の環境では絶対にあり得ないバイクでした。

ともかく無茶苦茶なバイクで低速トルクは無いくせにパワーバンドに乗ったとたんにバイクは棹立ちになるし、振動は凄いし、うるさいし、真っ直ぐ走らないし、曲がらないし、止まらないい。あれに乗って生きていられるのは至難の業といったバイクでした。でも、個性的でたまらない魅力を持ったバイクではありました。

入手の経緯は、近くの「寿司政」というお寿司屋さんが、エンジンをカート用に使おうとして持っていたものを安く譲っていただいたというルートでした。この子は、その後、レストア好きのバイクマニアの手に渡り、ピカピカになって後の人生を送ったと記憶しております。ちなみに写真は僕が作ったプラモデルです。

空冷2ストピストンバルブ並列三気筒、排気量748cc、最大出力74馬力、最大トルク7.9kg、乾燥重量192kg、初期型は1971年10月発売、1971年モデルの新車価格は36万5000円。