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BMW R100RS 1987年モデル 1999年12月〜2001年10月


子供の頃からの憧れだったR100RSを見つけたのは1999年ももう終わろうとする頃に有明ビッグサイトで開催されたBMW認定中古車フェアを見に行った時でした。BMWは中年になって年相応になったらいつかは乗ろうと思っていたのですが、今回は必ず買うぞと意気込んで行ったわけではく、この機会に「とりあえず見るだけ」に出掛けたのでした。中に入るとすごい数のBMが並んでいて、その中にあこがれのRSも5台ほどありました。RSはパールホワイトと決めていましたが、一台発見。「見るだけ」のはずだったBMWでしたが、「生産中止になった名車はチャンスを逃すと二度と買えない」とかなんとか屁理屈を並べて2時間後には契約書にサインしていました。ちなみに、この時は書いた本が出版される直前だったので、自分へのご褒美として買うことにしたのでした(お気づきの通りこれも言い訳です)。

ショップは評判が悪いのを知っていたにも関わらず、家から近いという理由で府中のバイク屋さんから購入しましたが、状況は予想以上で、ひどい目に会いましたが、逆にこれがきっかけで日本一のBM屋さんであるバイクハウスフラットさんの客になるという副産物を生むことになります。長いバイク人生でショップ選びがいかに重要かを身にしみて知っていたのに不覚でした。皆さんやっぱりショップは選びましょう。

このような経緯で手にいれたBMで、東北温泉ツーリングなどのロングツーリングを中心に使っていましたが、以下のような点が気になっていました。

アクセルが重い。
かなりの前傾ポジションとあいまってロングツーリングでは右手がひきつってしまう程で、バイク屋さんで何度か診てもらいましたが、治らず仕舞いでした。半日くらい走っていると肩までびしびしになってしまいます。
前傾ポジションがきつい。
ヤマハのR1やドカの996程ではないにしろ、結構前傾です。グリップの高さはガソリンタンクより若干高いくらいで、前述のようにアクセルの重さを助長します。手首に体重がかかるため、ロングツーリングでは結構つらいものがありました。勿論平気で10万キロ以上走る人も沢山いるのですが、どうも僕には相性が悪かったみたいです。
直進安定性が悪い。
アウトバーンを超高速で巡航するために作られたバイクなので、非常に高い直進安定性を期待していましたが、買った状態では150kmになるとふらつき始める有様でした。その後、サスを換えたりタイヤを換えたりしたため、大分改善したものの、170km以上で巡航するのは結構怖かったです。ちなみに1150RTは200kmだしてもへっちゃらぷーです。
リヤブレーキが効かない。
お店に確認しましたが、わざとそうしているとのことでした。それにしても本当に効かなかった。
サイドスタンドが不安定で怖い。
ノーマルは勝手に戻るタイプだったので心配で使えず、あとから着けたルフトマイスターのスタンドも高かった(確か4万円くらいだったと思う)にもかかわらず、ふらふらしていて不安でした。
発電力が足りない。
グリップヒーターや電気ジャケットを使いながらライトを着けると走っていても電圧 が下がる有様で、ライトも暗かったです。交差点でとまったりする時はもったいないのでこまめにライト消してました。
加速が悪い。
同時に持っていたバイクが新型のXJR1300だったというのもありますが、折角1000ccもあるのに高速の合流あたりではがっかり。やっぱりバイクは加速が良くないとね。
風切り音が大きい。
あれだけ大きいカウリングが付いているので風が全く当たらないように思えますがヘルメットあたりには風が直撃します。整流効果はヘルメットもカウル一部として設計されているようで、飛ばすとすごい風切り音がします。これが結構長時間に及ぶと疲労のもととなります。
初期型ではない。
じつはR100RSは初期型と再販物とに分かれていまして、外見はほとんど変わらないのですが、本当の名車とされているのは77年デビューの初期型の方です。程度の都合で後期型にしたのですが、この手のこだわり系にはこの僅かな違いが結構尾を引くのでした。
もちろんスタイルや所有する喜びなど魅力のあるバイクでしたが、10000km程走って車検切れが近づいてきたのを機会に純粋に手放そうと思い、バイクハウスフラットさんに買取のお願いにあがりました。さすがに5台も持っていると全部は乗り切れないので、今回は減らすぞと構えて店に向かったのですが、気が付いたら買取ではなく、下取りにして最新型のツアラーであるR1150RTを注文していました。

空冷4ストOHV2バルブ水平対抗二気筒、総排気量980cc、最大出力60馬力、最大トルク7.6kg、乾燥重量229kg、1987年モデルの新車価格はたぶん150万円くらい