「車台」見出しへ

Yamaha R1-Z 1990年モデル 2017年07月〜2019年11月 3800km 〜


73台目のオートバイは1990年製の初期型R1-Zです。放置車両の不動車と言うことで、とても安く買えましたが、フルノーマルで走行僅か3800kmでフレームのサビもほぼ皆無と言う、修理して乗るには理想的な状態でした。転倒どころか立ちゴケの跡もなく、いい買い物をしたと思って修理を始めます。

ガソリンタンクの錆取りとコーティング、エンジン内部の洗浄、シリンダーの表面整えて、キャブレターのOH、インシュレーター交換したところで無事エンジンに火が入りました。キャブの状態から推測するに15年はエンジンかけてなかったと思います。という訳でフロントブレーキOHして保険に入って試運転。思ったより低速トルクがあって乗りやすい。

順調に修理ができたなあと思っていたらなんだか右のシリンダーからやたらと白煙が出始めます。どうもクランクシャフトのオイルシールからオイルを吸っているみたいです。とりあえずオイルシールだけ交換しようかなどと甘いことを思っていたら2気筒エンジンなのでクランクケースが上下分割でオイルシールだけ交換するのは無理でした。クランク割るとなるとエンジン降ろさないといけないわけで、覚悟して作業を始めました。

作業ついでにシリンダーを井上ボーリングのICBMにすることに。井上さんはとても親切に対応していただきました。納期が3ヶ月なので気長に待ちます。





分解したクランクシャフトを取り出してみたらなんと右側のベアリングが完全にいかれてました。このまま乗ってたら破損したベアリングがエンジン内で暴れて大変なことになるところでした。走行僅か3800キロなのに・・・やはり長い間不動車だったバイクの再生には注意が必要だと再認識。ベアリングの異常はエンジン音で気がつくべきでした。反省しきり。まあこういうのがレストアの面白さではございます。でもこんな事も世の中からガソリンエンジンが無くなってしまったら関係無くなってしまうんでしょうね。

せっかくなのでクランクシャフトも井上さんで分解芯出ししてもらおうと送ったところ、なんとクランクピンがだめで再生不能とのこと。幸い新品のクランクシャフトが買えたので新品に交換して腰下を組みます。クランク回してみるとそれはそれは気持ちよく回ります。うーん快感。

特注したシリンダーを3ヶ月待ってようやく届いて組み込んで走り出したら急に後輪がロックしてエンジンが止まりました。焼きついたかと思ってシリンダー外してみたところ、どうもオイルラインが詰まっていてクランクベアリングが死んだみたい。これ普通気がつかないよね。2ストだし。という訳でエンジン全バラして作業のやり直し。



整備記録