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YAMAHA SR500 1996年モデル 2003年9月〜2003年12月


最近は本当に無理な乗り方をしなくなって(少なくても本人はそう思っています)ストリートであった若い子やポルシェ等と競争することもなくなり、凶暴な加速力を求めることもなくなりまして、ゆっくりバイクの味を楽しむようになっております(少なくても本人はそう思っています)。そんなこともあって自分にあった大きさでバイクらしいデザインと味のあるバイクが欲しくなり、やっぱりSRだという結論に達したのですが、問題はSR500は2000年で生産を終了しており、新車で手に入れることはできません。これは完全に免許制度のせいですが、そもそもSRは500が基本ですので正しいSR乗りは500に乗るべきであります。という訳で中古のSR500をネットで探していたところ、96年型の500で初期登録が2000年で走行距離が1825kmしかないという条件の極めて良さそうなものを埼玉県のバイク屋さんで見つけました。早速その週の週末にでかけていって現物を見てみたら、どうみても新車としか言い様がないような極上の一品でした。

保存状態が良いかどうかはボルトやスポーク、チェーンプラーといったパーツをみると解るのですが、明らかに屋内保存、それも家の中にでもいれていたのではないかと思うようないい状態です(ガレージだと部屋の中に比べて湿気があるので、メッキでない金属パーツは手入れをしていてもくすんでくるのです)。製造して7年も経っているとは到底思えないレベルで、「今年製造されたバイクを今日、新車でおろした」といっても誰も疑わないでしょう。実はSRは25年という驚異的なロングライフモデル(通常バイクは2〜3年)で、見た目は似ていますが中身は相当頻繁に変わっています。SRはタンクの大きさが一度だけ変更されており、1985年4月から1996年10月までが14リッターで、それ以外の時期は12リッターです。僕は14リッターの方が丸っこくって可愛いので今回の奴はとても気に入っています。また同様に1985年4月から1996年10月まではステップがバックステップになっていてポジション的にもこっちの方が好きです。という訳で、これほどの状態の3GW6型のSR500が手に入ったのは奇跡に近いといえます。

早速契約をしまして納車を待っていたところ、バイク屋さんから連絡があり、「ギアの入りがちょっと悪いので調べさせて欲しい」とのこと。のんびり待っていたらシフトドラムという部品の溝の加工が若干浅かったのが原因と判明、物凄くプロ意識と誠意のあるバイク屋さんで、関連部品を全て無料で新品に交換してくれました(この作業はとても手間のかかる作業なので工賃だけでも相当なもんです)。このバイクはバイク屋さんがオークションで仕入れたために前のオーナーさんがなぜ96年型を2000年まで登録しなかったのかとか、どうしてあれほどの状態を保てたのかとかは全て不明ですが、手放した理由のひとつがこの「ギアの入りがちょっと悪い」だったんじゃないかなと想像しています。何れにしてもまるでタイムマシンに乗ってきたかのようなSR500は、外見もエンジンも完璧な状態で(かつ安い)僕の手元にやって来たのでした。