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Kawasaki Z1 1975年モデル 2007年12月〜2013年9月



僕がバイクを好きになったのは小学生の頃でしたが、当然ながら当時のスーパーバイク達には乗ることもできず、もちろん買うなどということは雲の上でのできごとでした。それから40年程経って、買うだけならなんとか買えるような状態になりましたが、当時のバイクを買って走らせることは物理的には不可能ではなくても、実際には故障の不安で買っても楽しくないことは確実です。タイムマシンに乗って35年前の新車でも買って現代に持ってこれれば良いのですが、それもまた無理ですので、昔あこがれたバイクは雑誌の写真を眺めて溜息をついているより仕方がなかったのでありました。

そんなこともあって、すでに何度買ったかわからないZ1の特集雑誌を懲りずに買って、旅行先で眺めていたらそこにあるZ専門店が載っていました。記事を読んでみるととてつもないノウハウと情熱をもったショップのようで、家に帰って早速サイトにアクセスしてみるとなんとコンプリートメイキングというシステムがあるようでした。

まずはお店に行くだけ行ってみようと、ある週末に妻を誘ってお店を訪れてみるとそこには修理中、整備中、カスタム中といったZ達が所狭しと並んでいました。中にいた石井さんに声をかけると初対面の我々にとても気さくに対応していただきました。「今日はみるだけ」と妻に約束していたにも拘わらず、一時間もしないうちに注文書に署名している自分がいました。あんな光景を目の当たりにして抗えるバイク乗りはいませんよね。

注文に際してはいろいろと細かい仕様を決めていくわけですが、まずは基本的にフルノーマルで始めて、ゆっくり自分の好みにあったカスタムとすることにしました。Zはありとあらゆるフルカスタムを施したもので日本中溢れており、カスタムの楽しさも良く解りますが、現在の新車にはついていないあの美しい四本マフラーを外すのは如何にももったいない。また現在のマフラーは執拗なまでの排ガス規制と騒音規制で全く造形が美しくないわけですが、Zに装着されているマフラーはそういった無粋な規制がなかったころの作品であるためともかく美しいのであります。ノーマルでない部分はフロントのブレーキで、さすがに命に関わる重要パーツということで、お店のお勧めに従い、ロッキードのキャリパーを二連装のダブルディスク仕様にしました。カラーリングは本当であればZ1Bなので、タイガーカラーなのですが、そこは僕の好みでD1の赤にしていただきました。本当はZ1BとD1ではタンクの大きさが異なるため、全く同じにはできないのですが、そこは塗装屋さんにお願いして美しいラインを出していただきました。うーんさすがプロ、美しい。

ベース車両探しからお願いしたため、輸入手続きも含めて当然時間がかかり、待つこと約8か月、12月の初旬についに待望のZが納車されました。それはもうまさにタイムマシンが運んでくれたような輝くばかりの美しさでした。メーカー純正の新車よりあきらかに美しい。外見は全くのノーマル(厳密にはD1のカラーリングなので完全にノーマルとはいえませんが)で、電装系などの重要パーツは現代の最新技術を用いた最高のZとなりました。PAMSさんの技術とメカニックの皆さんの情熱が作り出した珠玉の一台が僕の手元に届けられたのでした。










カスタムコーナー

ETCを装着
高速道路ツーリング派の僕はこれなしではいられないため、YSPさんにお願いして装着しました。大変快適。

電熱ジャケット用のソケット装着
僕には定番です。冬の必需品。ちなみにバッテリーキーパーもここから使えます。

リヤサスを交換
ノーマルに拘って川崎純正をいれたのですが、さすがに動きが今一つで高速道路で怖かったため(僕の運転技術が未熟なだけなのですが)、ノーマル主義を諦めてリプレイス。ものすごく悩んだ挙句、ビトーR&Dのものにしました。ちなみに候補に挙がったのはオーリンズとクアンタムとYSS。実にいい感じ。高速コーナーもばっちり。

サゴウ工芸さんでシートのモディファイ
PMC製のS1用シートを購入後、サゴウさんで自分の体と好みに合わせてモディファイ。これも実にいい感じですが、革がいまいちなので、そのうち直そうと思います。

ハンドル交換
純正はアメリカ人用ということもあり幅の狭いものに交換。さんざん悩んだあげく、ナップスにいってアルミ製で好みのサイズを探しました。ポジション的には最高だったのですが、バーエンドのウエイトを付けても振動が収まらず、長距離を走ると手のしびれがひどくなるため、V-Max用のヤマハ純正のスチールパイプに交換しました。ポジションも良く、常用回転数の振動が激減して大変快適です。大好きだったV-max用というのもちょっと嬉しい。バーエンドのウエイトはハリケーン製を使っています。これはデザインが好み。

バックステップを装着
ハンドルの交換に伴い、ステップの位置も変更しました。ただ、市販のバックステップはいかにも社外品という感じのものが多く、また上がり過ぎ、後退し過ぎが多く、ノーマル派のおじさんは敬遠していたのですが、そこでPAMSさんの特製バックステップを発見。ノーマルパーツを上手く利用した素晴らしい作品でした。早速装着をお願いしましたが、シフトタッチもブレーキのフィーリングも素晴らしく(ブレーキに関してはノーマルより明らかに良い)PAMSさんの面目躍如という感じです。

バックミラーを交換
最初はハンドルの交換に合わせてステーの短いタイプしてみましたが、格好いいんだけど、えらくぶれました。100kmも出すと全く役に立たないほど。さすがにひどいので、ゼファー750用の川崎純正に交換しました。前述のハンドル交換と相まってミラー振れ問題は無事解決。メッキも美しい。

サイドバックを装着
TDM時代のパニアを装着したくてキャリアをさんざん探しましたが、どうしても見つからず、モトフィズのアメリカン用のサイドバッグを少し改造し装着しました。なかなかいい感じです。高速走行でもばたつきません。これはその後キャリアが見つかったため、交換となりました。

スイッチボックスを交換
Zのスイッチはウインカーがプッシュキャンセル式でなく、高速道路の車線変更終了時などに反対側のウインカーをつけちゃったりして危ないので、PMC製のものに交換しました。ただ、左右のバランスが悪くなってしまうため、スロットルも交換せねばならず、結構大がかりな変更になってしまいました。ついでに余り気味だったクラッチワイヤーとアクセルワイヤーも短い物に交換しました。ワイヤリングは、いろいろ考えた結果スロットルのワイヤーをハンドルの上側から出す形にしたのですが、昔のっていたFみたいでちょっといい感じ。実はこの作業が猛烈に大変だった(キャブ側のタイコの部分)のですが、結局改造車っぽい造形が好きになれず、ハンドル交換のタイミングで右側はもとに戻しました。そしてそのあと、プッシュキャンセル式のスイッチをPAMSさんが製作・販売していることが判明。ハザードまでついている・・・。がっかり。そのうち交換しようと考えております。

キャブをCVKに交換
カスタムとしてはこれが一番大掛かりかもしれません。CVKでエアクリナーBOXが使えて、中低速のトルクが豊かでかつパワーもあって静かで燃費も良くて、スロットルも軽いのが理想だと思っていましたが、そんなことは夢のまた夢で、ネットで日本中のショップを探しましたが、見つからず、失意の中でPAMSさんに相談したところ、なんと受けてくださるとのこと。PMASさんなら大船に乗った気持ちで委ねられます。詳細はブログに掲載していただきました。(CVK2 CVK1 ちょっと小細工 )もう完成度たるや完璧の上を行っています。素晴らしい。

ちなみに同時に交換したピンゲルの燃料コックもとてもいい感じ。
キャリアを装着 その1
専用のキャリアはどうしても手に入らないのでPAMSさんにお願いしてワンオフで製作してもらおうかと相談したところ偶然中古のキャリアがあったため、売ってもらうことにしました。無事に装着できましたが、ちょっと大きすぎるのが難点でした。ベンチュラが買えたため、オークションで他のオーナーのもとへと貰われて行きました。

キャリアを装着 その2
国内に在庫がなくて諦めていたベンチュラのZ用キャリアが買えることが判明したため注文しました。喜び勇んで交換しようとしたところ、リヤサスを交換していたため、ボルトオンでは装着できず、苦労して加工してなんとか収まりました。スリムでなかなかいい感じ、強いて言えばもうちょっとクリアランスが少なくてもいいかな。

パニアを装着
念願のキャリアが付いたのでTDMで使っていたキャリアを載せました。偶然色がばっちり。ただ、さすがに47リットルは大きいので、ショートツーリング用に23リットルの小ぶりのものも購入しました。



ゲルザブを装着
東名高速で装着している人に直接感想を聞いて装着を決意。尻の痛さ低減もさることながら、振動低減効果に感動しました。高速走行がさらに快適になりました。



ナックルガードを装着
あまりに手が冷たくなるので、キジマのオンロード用のガードをつけてみましたが、薄くてあまり効果がないうえに、すぐひび割れてしまったため(個人的には製品としていまいちだったような気がする)、自作のナックルガードを装着しました。ステーはなんとデコトラ用のランプ固定ステーを流用です。苦労しましたが、効果は抜群。そして個人的にはマッドマックスみたいでちょっと格好いいかかなと思っております。





サイドカバーのエンブレム変更
僕のZは1975年式のいわゆるZ1Bなのですが、カラーリングは変更してしまったことから、本当の年式を表すパーツがなかったため、900の文字だけはこだわって1975年式にしていたのですが、白の部分のひび割れがひどいため、左のサイドカバー交換(コックの不良による燃料漏れが原因で溶けてしまいました − PAMSさんがサービスで無料で作り直してくれました)のタイミングで初期型に交換しました。やっぱりこちらの方がデザイン的には優れてますよね。格好いい。



足回りのブラッシュアップ
高速安定性が気になっていたので、サスを変更。本件はPAMSさんのブログに掲載していただきました。(甲乙つけがたし





KAWASAKI 900 Super four Z1  整備記録
全長 2,200mm
全幅 865mm
全高 1,170mm
乾燥重量 230kg
フレーム型式 ダブルクレードル
懸架装置 前 テレスコピックフォーク
後 スイングアーム
タイヤサイズ 前 3.25H-19 4PR
後 14.00H-18 4PR
原動機種類 4ストローク空冷・DOHC2バルブ
気筒数・配列 4気筒
総排気量 903cc
内径×行程 66mm×66mm
最高出力 82HP/8.500rpm
最大トルク 7.5kg/7,000rpm
始動方式 セル・キック式
燃料タンク容量 18リットル
燃料供給 ミクニVM28CS×4
変速機形式 リターン式5段
2次減速機構 チェーンドライブ