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ビンテージ編13 BALDAX社製のSemi Baldax その2 平成17年7月

ドイツBalda社のSemi BALDAXの珍品です(前回のものとは機種が違います)。 このカメラは1930年に発売されました。奇しくも私の生まれた年です。 よって75年のご老体です。この稿の5回目にSemi BALDAKを取り上げ ましたが、あれはこれより新しくレンズも1:3.5と、やや、明るいモデルでした。

終戦直後、母が米3升を無理して算段しくれ、それと交換して入手した万感の 思い出のあるカメラが、今日、アップしたこのモデルです。

勿論その時の現物は、2年ほどで手放さざるを得ませんでした。今回、偶然にも ネットオークションで15000円で落札致しましたが、その外観の完璧さ、動作の 完全さに眼を見張りました。









       
75年もの長い間、然も戦前戦後の厳しい環境の中を 如何に丁寧に保管したのか、驚嘆するばかりです。


本来ならば手にとって見て貰いたい位の 逸品です。管理人さんの依頼もあり、ブロニーのフィルムを専門店で購入し 自宅界隈を撮ってみました。勿論完全なMFですから、露出の決定、距離の 設定、絞りの決定、2重撮影の注意等、60年前の経験がそのまま役に たちました。
2枚ほどアップしましたが、ピントの良さには驚きました。 レンズはMeyer GorlizのTRIOPLAN 1:4.5 78mmで、シャッターは当時最高の COMPUR RABIDが搭載され1/400までの当時としては高速のシャッターです。

普通、75年も経っていると、レンズに多かれ少なかれ、傷やカビがあるものですが このカメラのレンズは新品の様に澄み切っております。 旅などの撮影の現場に出る機会は無いと思いますが、私を癒してくれる お宝が又増えました。多分こんな幸運はもう来ないでしょう。