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ビンテージ編10 ZEISS IKON社 Ikoflex 平成17年7月

今回はIkoflexTaです。 「つー爺」がこの欄で取り上げたカメラは、1945年から1960年までに 私が実際に手にし、操作し、撮影したカメラです。

戦後まもなく某出版社の技術雑誌記者になった私が、最初に、取材用に支給 されたのがIkoflexと、Ikonta sixでした。当然戦前のカメラで、当時としては 高価で貴重なカメラでした.特にIkoflexはZEISS IKON社が、戦前大ブーム を起こしたROLLEIFLEEXを追撃すべく、総力を結集して研究開発した 2眼レフでした。

しかし結果的にはROLLEIFLEXを追い越す事はできず マイナーな存在に甘んじたのです。従って輸入量も少なく、現在でも あまり流通しておりません。写真は1934年に初めて発表された Ikofllexで、ライカに対するコンタックスのように、ローライを競争相手として発表 されました。

私の手許にあるIkoflexはTa型で1952年に発売されました。写真の様に、実に堂々としております。つくりは極めて堅牢で ZEISS IKONマニヤの私としては見ているだけで癒されます。


撮影用のレンズは勿論、Zeiss-opton Tessarでf 1:3.5 75mmです。写真のようにすっきりした洗練されたフロントビューです。シャッターはプロンターSVで 1秒から1/300までで、右下のローレットの切ってあるリングでシャッ ター 速度を調整します。絞りは同じ部分にあるレバーで操作します。 夫々の表示がやや見難いのが難点です。

焦点調整は大型のノブ(写真右)が使われ、ファインダー側面には露出のガイドプレートが 着いています。当時のフィルムの感度はASAで40が標準でした。今の1/10です。


Ikoflexで撮った写真は沢山残っておりますが、特にご披露するような写真は 少なく、何とか2枚を選びました。

一枚は日比谷交差点から明治生命方向を撮ったもので当時は都電が走っておりました。
(管理人注:明治生命の建物は今でも存在していて、管理人も外交でお邪魔したことがあります。エレベーターが凄いアンティークで格好良かったです)

2枚目は「つー爺」の妻 と、その姉の写真で約半世紀前に写したものです。