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ビンテージ編15  Ikonta six V 平成17年9月

今から56年前、私が雑誌記者時代、最も愛用し、使用頻度の 高かったカメラがこのIkonta sixでした。勿論、会社の備品では ありましたが、殆ど専用に使っておりました。

思い出深きカメラ 故に、長い間探しておりましたが、Tesssarのついたカメラが 全く見つからず、半ば諦めておりましたが、偶然にもヤフーの オークションにそれを発見し、入札、落札致しました、写真がその勇姿です。発売時期は1937年で68年経っています。 しかし外観も美しく、勿論機能は万全です。僥倖を感謝しております。

シャターはCOMPUR-RAPIDでB,1から1/500 レンズはTessar 1:3.5 f=7.5cm フイルムは120mmのブロニーフイルムです。 発売当時では普及型スプリングカメラの最高峰に位置しておりました。 私は約5年間このカメラを取材用に使いました。撮影対象は殆どが オーディ゛オ機器でしたが、雑誌掲載に充分たえる写真がとれました。

当時のZeiss Ikon社は世界最強の光学器械メーカーで、プラネタリューム 顕微鏡、潜望鏡、距離計等、世界に冠たるメーカーでした。カメラの分野でも戦前までは多分世界一であったと思います。しかし 35mmカメラでライカに遅れをとり、一眼レフではドイツ全体が日本に 大きく水をあけられ、後退しました。



そしてデジタルカメラの時代に入ると、日本が市場を席巻しました。 やがてデジカメはフイルム式カメラを駆逐し、日本が王座に着きました。 しかしそれは技術革新に真摯に挑んだ長い歴史があっての勝利です。

大事な事は日本のカメラ技術は戦前のドイツから多くを学んだことです。 写真にZeiss Ikonのロゴがみられますが、私のような年配者 には懐かしく,また尊敬すべきロゴなのです。写真で見られるように 撮影サイズは60mm*60mmで、引き延ばしが容易なサイズでした。





このイコンタシックスのコレクションによって、私の青春時代の思い出の カメラは全部収集が出来ました。よってこの稿は、今回を以って最終回 とさせて頂きます。ご精読感謝いたします。