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ビンテージ編3 コダック社製のRetina 平成17年4月30日




今回取り上げたカメラはKodak Retina Uaです。旧西ドイツで1951年から54年にかけて生産され、アメリカのコダック社で発売され、爆発的に売れた超有名カメラです。主な仕様は

1 形式     35mm Folding Camera
2 レンズ     Schneider-Kreuznach Retina-Xenon f.2/50mm
3 シャッター    SYNCHRO-COMPUR, B,1/1-1/500
4 内蔵距離計 連動式
5 サイズ     122*82*45mm
6 重量     600g

最大の特徴は当時の35mmカメラの殆どが鏡洞式レンズを採用していたにもかかわらずレチナは蛇腹式を採用した事だと思います。写真を御覧頂ければ判ると思いますがそのデザインは実にスッキリしております。一見大衆カメラの感がありますが、極めて高性能な高級機で、戦後間もない頃の、私には高嶺の花でした。フィルムの巻上げはレバー式巻き取りはノブ式です。今回のアップのため久しぶりにフィルムを入れ試写してみましたが50年前の機能は健在でした。試写した写真を添付します。

バイオリンに孤高の名器ストラビバリュスが、車にデュセインバーグが、バイクにBMW、戦闘機にゼロ戦、茶碗に天目、腕時計のPATEK PHILIPPE,戦前の軽巡洋艦夕張があったようにビンテージのフイルム式のカメラには忘れえぬ名器が沢山あります。A型からM3型までのライカ、ローラオートマット、コンタックス、ニコンS,ZEISSのスーパーセミイコンタ、そしてこのレチナ等、何れもマニュアル方式で電子回路は使っていません。身の周りの機器の全てが、IC回路によって制御されている今日、電気や、電池がなくても完全にに動くこれらの名器の技術が明日の発展の礎になっていくと思います。