T君のXJRライフ 常磐道高速バトル編 | 07/18/2001 |
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今回は常磐道をひた走り、福島まで日帰りでお寿司を食べに行ってきた! この
バイクでガラガラの高速道路を思う存分走ったインプレッションを、再びドキュメントでご報告です。 朝8時、センタースタンドからバイクをおろし、エンジンを暖気に入る。初め て中型免許を取り、最初の愛機ホーネットのエンジンをかけたときからいまだに、バイクのエンジンをかける時には少しだけ心臓が高鳴る。 今日の安全運転を誓いつつ暖気を終了し、さあ出陣! 混雑している首都高速を、首都高環状C1ー首都高速6号向島線と走り、いよい よ三郷Jctを越えて常磐道入り。車線本数が増え、かつ車線幅がぐっと広がるので嫌が上にも首都高速よりスピードが乗る。 今日の待ち合わせは、すぐそこの守谷SAなので、ここはゆっくり行こうと無理な加速は避けつつ一番右側の車線の流れに乗った。130キロ程度で皆流している。全てに余裕綽々で非常にラクチンである。 守谷ICへ向かう途中、流島あたりで車がぐっと減り、道路が空き出した。別に ムリに飛ばす気はないので140キロ程度で走っていると、黒い煙を吐きながら走っている非常に遅いボロワゴン(バン?)が前方に見え、接近しつつあった。 もちろん追い抜くことにした。 そういう車はえてして周囲の状況には気を配らずに走っているので、追い抜くには3車線あるうちの真中の車線にいったん出るしかない。 ちょっと加速しようとアクセルをひねって抜いてみると、今度は妙に風圧が強い気がした。ふとスピードメータを見たら針が170キロよりも先を指しているではないか!そりゃ風圧が強いのも当たり前である。 「一応さっきのボロバンも130キロくらいでは走っていたのか!」と驚きを禁じえなかった。 守谷SAにて、しぶーいホワイトのBMWを駆るTさんと合流し、さあ本当の出発。 相手はドイツのアウトバーンを高速で疾走するために開発された往年の名機、フルフェアリングに身を包むBMW-R100RS、相手にとって不足無 しである。 最初は周りよりずっと遅い法定以下のペースで走る気でいたのだが、結局2分後には一番右の車線にいた。穏やかに流していると、前方にクソ遅い、100キロ以下で追い越し車線を走るボロトラックに遭遇した。 いくらなんでも、この遅さで常磐道の追い越し車線走行は犯罪である。 10秒ほど後ろで走ったが、どいてくれる気配も無かったので当然抜いた。 ボロトラックを抜く際に、100キロから加速を開始したのだが、追い抜き後も少しアクセルを半開きにし続けてみたら、結局100キロの時から3秒も経たずにスピードメーターの針が振り切ってしまった。さすがのTさんのBMWもやや後方に離れている。「なぜこのようにメーターを振り切ってもこう安定し、段差を拾っても乱れることなく一瞬で衝撃は収束し、そして横風が吹いても不安な挙動一つ見せず安定し続けているのか?? なぜカーブ付近で150キロまで速度を落としてもそこから再びメーター振りきるまで1秒なのか??」 僕はその加速性能と安定性に呆れていたが、結果的にはそれらはまだ、この日感じた驚きのうちの半分にも満たなかった。 ガソリンを途中のICで給油し、一休憩して再び常磐へ。今度はTさんがペース を作る。ずっと160キロ、いいペースである。 途中で僕が追い抜き、振りきりにかかる。Tさんが追いかけてくる。バイクの腕は明らかにTさんの方が上なので、マシンの加速性能の差と相まって丁度いい関係になっていた。 ところで余談だが、TさんのBMWはフルカウルのホワイトであるため、周りの車は彼をよく白バイと間違える。僕が170キロ以上で先行し、Tさんが追いかける姿を目にした車のうち何台かは、僕らの事を警察とバイクの追いかけっこと勘違いしたと思い、僕はひとりで愉快に思っていた。
そうこうしているうちに、Tさんが左車線に寄って左手で左方向を軽く指差し
た。 まだ出発してから1時間と少し経ったくらいである。 てっきり途中で温泉
にでも入ってから福島へ向かう事に変更し、一旦高速を降りるのだと思ったら、実はもう福島の小名浜に到着していたらしい。危うく目的地を通り過ぎる所であった。あぶないあぶない。それにしても疲労の少ないバイクである。福島まで来てまだ疲労の片鱗も無い。
お互い気ままに走った後、再び守谷SAでTさんと落ち合う。 もうすぐ料金所なので飛ばす事も無いと思い、90キロで一番左の車線を走行する(走行できる)。 これがXJR1300の凄い所、本当に気に入っているとろろである。 これだけの加速性能直進安定性・旋回性能・飛ばしたときの快適性を持ちながら、バイクに急かされることが無く、90キロで高速道路を走る事が全く苦痛にならないのである。むしろ楽しいくらいに感じ、ずっとこのままの速度で走っても十二分に満足できる。 これは非常に安全である。 この状態から3秒で190キロメーターを振り切れる、一瞬で周りの車をミラーの視界から消し去る事が出来るのだが、バイクがそれを強要しない。そんな事を思いながら90キロ走行を続けていると、追い越し車線をR34型スカイラインの覆面パトカーが赤灯を回しながら通過していった。 この時ばかりはTさんと、その元愛機、XJR1300の持つ強運にただただ驚いた。「ラッキー」と叫ばずにはいられなかった。5秒ほどTさんにVサインを出しつづけた。Tさんも僕にぐっと接近し、(おそらく)驚きと喜びを表現していたと思う。本当にラッキーである。 それにしても、XJR1300の持つ、運転する人をむやみに戦闘的にさせず、心に余裕を持たせるこの性質は、本当に、本当にすばらしい。物には寿命と言うものがあるので一生というわけにはいかないかも知れないが、走り続けられる限り僕のパートナーにしたいと思う。 こいつと走っている間は、事故もおこすことなく免停にもならずに、この圧倒的に強烈な性能の喜びを十分に堪能出来ると感じる。 |