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Honda CB50S 1981年モデル 2009年07月〜2010年04月、2012年01月〜2014年07





Zを手にいれ、RZを復帰させたあと、もはや「買って乗るだけ」という意味での欲しいバイクはなくってしまい、いよいよ禁断のレストアに挑戦したくなり、28年前に生産されたCB50を買いました。 まずは車種選定ですが、やはり部品の豊富さからして30年前の設計のエンジンでかつ、現行車にも使われていて、かつ部品供給に一番安心感のあるホンダということでCB50としました。

ちなみに候補に上がったのはAR80、TDR80、YSR80、NSR50、R&P、郵政カブ、ハンターカブ、CB50、CB125、SL90、ミニトレ、JAZZ、マグナなど。


今回のテーマは「できるだけ自分でやってみる」で、ボアアップにいたるまで一切プロにはお願いしなかったのですが(ポン付けのパーツに交換しただけですけど)、唯一プロに作業をお願いしたのがこのガソリンタンクの塗装です。こればっかりは僕ではどうしようもなく、若ちゃんにお願いしてプロを紹介していただきました。ホンダの文字もストロボラインも全て塗装で再現していただきました。それはもう芸術的な仕上がり。さすがプロ。川口さん、ありがとうございました。


入手はヤフオクで、落とした時は、キャブもマスターやマスターシリンダーもキャリパーも取り外してあり、あきらかに自走は無理という状態。おかげで安く落とせました。でも基本的な状態は相当良く、掘り出し物でした。




HONDA CB50S
主要諸元表
項目/機種 CB50S(型式AC02)
全長×全幅×全高(m) 1.790×0.685×0.975
軸距(m) 1.175
車両重量(kg) 整備:83,乾燥:75
燃料タンク容量(L) 8.5
燃料消費率(km/L) 85(30km/h定地テスト値)
エンジン形式 空冷4サイクル単気筒
排気量(cm3) 49
内径×行程(mm) 42.0×35.6
最高出力(PS/rpm) 6.3/10,500
最大トルク(kg-m/rpm) 0.43/9,500
変速装置 5速リターン式
フレーム形式 バックボーン式 ダイヤモンド式
タイヤサイズ (前) 2.50-17-4PR
(後) 2.75-17-4PR
ブレーキ形式 (前) 油圧式ディスク
(後) 機械式リーディングトレーリング


整備記録

購入時走行距離6,466km

オイル交換
6,466km 銘柄はホンダ純正のG1 
ボアアップ時 銘柄はホンダ純正のG1 
6,600km ボアアップ後100km 銘柄はホンダ純正のG1 
2010年3月4日 7,719km 銘柄はホンダ純正のG1 この時はスーパーゾイルを100cc追加 音が静かになりびっくり

2009年7月 イリジウムプラグ 6,466km 

2012年夏 キャリパー交換時 ブレーキオイル交換

2012年夏 タイヤ&チューブ交換 ミシュラン 

2013年3月14日 リヤのベアリング交換。ドリブンスプロケットを43丁に。 



カスタム記録
キタコのキットで82ccにボアアップ

Fホイールが欠品のため、エクセルのアルミリムを注文生産してもらう。

電装を12Vに。

フロントブレーキ(マスターとキャリパー)をポン付けできるマグナの物に

フロントブレーキホースを武川のステンレスメッシュに

2012年7月キタコのバージョンアップキットでシリンダーヘッドやピストンを82cc専用設計のものに交換

片押し1ポットのせいか、どうしてもブレーキが効かないのでキャリパーサポートをワンオフで作製してもらいドリーム50の2ポットの物に交換。大変良く効くようになりました。


リヤサスペンションがさびしいのでデイトナの物に交換。こちらも専用品がないため、取り付けブッシュ・カラーを特注してもらい装着。見栄えが良くなりました。

スタンド交換。サスペンションを交換して車高が若干高くなったため少し長いものに交換。このあたりはモンキーやエイプ用のパーツが充実しているので助かります。

2013年1月 点火系をCDIに。ヘッドまで交換したのにどうもパワーが出ていない気がしてポイント点火からCDIに変更。エイプの点火系部品に交換。それに伴ってメインハーネスやハンドルのスイッチも交換し、その他関連個所の配線を全て変更。バッテリーレスになってしまいましたが、ライトは昼間も点灯しておいた方が良いし、シンプルになったので良しとしてます。なお、バッテリーレスなのにアイドリングでもライト類がきれいに点灯するのには驚きました。さすが新しい技術。CDI化の結果は良好で吹け上がりのスムーズになり、高回転の伸びも良く、体感加速も良くなりました。ハンドルスイッチが新品でとても綺麗になったのも嬉しい。

2013年1月19日 8390km 点火系をCDIにして効果があったので、すこし点火系の勉強(?)をしたところエイプ50用の進角27度固定のCDIユニットは交換したシリンダーとヘッドには必ずしも最適ではないのではないかと思われたので、進角を変えられるCDIを探してみました。ネットでいろいろ検索したところデイトナのパワーアドバンスフルデジタルCDIが良さそうだったので交換してみました(実はエイプ50と100で基本的な点火時期が6度くらいずれているという記述が多かったので、50と100の共用のCDIを使うとどうなるのかが解らずメーカーに電話して問い合わせたりしました)。結果は大変良好で、ヘッドまで交換した効果が十分に出た印象です。特に中速域以降の加速がさらに良くなりました。とりあえず一番進角させるモードにしてありますが、いろいろ変更してセッティングしてみようと思います。このエンジンはいじると変化がすぐに出る上に四気筒の大型バイクなどに比べるとカスタム代も圧倒的に安く、作業も簡単なので、4ストミニいじりにハマるおじさんが多い訳が分かった気がします。

2013年1月27日 8430km フロントホイールのベアリング交換。小さいので楽です。十分使える状態だったのですが、時間が経っているので念のため。それとは別にキャブのニードルの位置を調整したのですが、ちょっと変えるだけで凄く変化があるのでびっくり。とりあえず今はPC20でニードルのクリップは一番上です(下から二番目にしたらガボガボで全く走らず)。メインジェットはいろいろ試した結果102番、スロージェットは少し薄めの32番でとりあえずセッティングは終了。最大出力は全く大したことありませんが、セッティングが決まったエンジンは乗っていてとても気持ちが良い。



ヘッドライト交換。こちらは経年劣化で塗装が剥げてしまったのと、ケースがひび割れて欠けてきてしまったため、社外品に交換。常時点灯式になってでポジションランプはいらないので宜しいかと。ちょっと安物で作りもいまいちなのですが、やはり新品は気持ちいい。


その後やはりどうしてもパワー不足感が否めず、ストロークが変わってしまうのをあきらめてベースエンジンをエイプ100に載せ替えることにしました。オークションで随分と探したのですが、エイプ100のエンジンは供給も多いのですが、需要が凄くていつまでたっても結構なお値段でした。即決でまあまあのエンジンが出品されたので落札して載せ替えることに。フレームはスカスカなので余裕かと思いきや、ぎりぎりで載せるのが思ったよりずっと大変でした。電装系は以前12ボルトにしていましたし、CDIにした時にハーネスをエイプの物に交換してあったのでその他の作業は楽でした。

折角なのでボアアップもしようと思い、これまでキタコ派でしたが、メッキシリンダーに惹かれてヨシムラにしました。ついでなのでキャブも買っちゃえということで9万円くらいのキットを購入。

オイルポンプも容量の大きい物にするためにクランクケースを開けてみたところ、オイルと水を混ぜて固めてキャンディー状とでもいうようなものが相当こびりついてました。オークションの説明ではメンテはばっちりみたいな書きぶりでしたが、あまりちゃんとしてなかったみたい。時間をかけて溶かすように掃除したところ、錆もなく、無事綺麗になりました。オイルラインを無事に広げて、オイルポンプも交換してクランク右側系作業は終了。
カムもヨシムラの物に交換して、エンジンも無事に載り、キャブの交換もしようかと思いましたが、とりあえずPC20がついているし、セッティング用のパーツも沢山あるので、まずはPC20から始めることにしました。エアクリーナーのスポンジだけ外して、ボックスにはちょっと無理して装着します。


問題はマフラーでした。エイプ100用のマフラーは山のように沢山あるのですが、そのままCB50の車体につけてもブレーキなどが干渉しないという保証がありません。かつ、取り付け部分が基本的に違うので、そもそもつけられる保証もまったくない。仕方がないので写真をじろじろみてなんとか大丈夫そうなものを探したところ、キタコのレース用の物が付きそうだったので、エイと買ってしまいました。

ありがたいことにマフラーはリアキャリアをとめる穴にサイズも場所もぴったりで、ステーを特注することもなく、無事に装着。やれやれでした。縦型エンジン物はエイプのおかげで本当に助かってます。



エンジンをかけて走り出してみるとこれまでと30cc位しか違わないとは信じられないほどパワフルでびっくり、キャブとの相性が良いのか、ヨシムラがすごいのか解りませんが、非力だったこれまでとはまるで別物のように(まあエンジンは別物なのですが)元気というかやんちゃに走ります。慣らしが終わってからキャブのセッティングをいろいろやってみましたが、パイロット38、メイン110、クリップは一番上がベストで、それはもう気持ちよく走ります。車体が小さいせいか、全開にすると8000回転くらいでなんとフロントが持ち上がってきます。びっくり。125のスクーターが信号で並ぶと面白がって競争してみるのですが、全戦全勝でぶっちぎり。大人げなくてすいません。

下からトルクがたっぷり出たので、リヤのスプロケットを38Tに。チェーンが長くなってしまったので二駒つめました。その点クリップ式なので助かります。


レーシングスタンドが使いやすいようにフックボルトを装着。スイングアームがちっこいのでボルトのアルミ部分を一部ななめに削って装着。ちょっと格好いい。


ギヤ式のタコメーターが使えなくなってしまったのでデイトナの電気式に交換しました。そうすると今度はスピードメーターとサイズが合わないので、こちらもついでに交換。オドメーターが0になっていまいますが、オリジナルはもはやフレームくらいしかないので、良しとします。トリップもメーターもついてガソリン給油に便利。ちなみにノーマルとはメーター取り付けのボルトの位置が90度ずれていてつけるのが少し大変でした。


115ccになったこともあり、ファニーズカスタムサービスの川口さんにお願いしてスペシャルサイドカバーを作っていただきました。タンクとテールカウルは特注で作っていただいていたのですが、サイドカバーが擦れて色あせており、再塗装しようとおもっていたので、大好きだったCB750FBのロゴを真似てもらってCB115-Sとしました。さすがはプロで芸術的なしあがり。素晴らしい。川口さん、いつも我儘聞いていただいてありがとうございます。


次は懸案のインナーチューブの再メッキ。点錆が気になって仕方なかったのですが、インナーチューブはとっくに欠品で、直すには再メッキしかありません。オイルストーンで磨いたりして誤魔化してましたが、とうとうシールが破けてオイルだだもれ状態に。格好悪いことこの上ない。インナーチューブのオイルが漏れていると、いかにもちゃんとメンテしていないという感じがするのです。インナーチューブの再メッキといえばここしかないの東洋硬化さんと電話で打ち合わせしてから物を送り、今回は調子にのってゴールドチタンコートまでお願いしました。費用は約7万円。ゴールドチタンコートはGPレーサーなどにも使われるそうで、完全にオーバースペックとなりました。それにしても美しい仕上がり、さすがは東洋硬化さん。