YAMAHA TDM850 1999年モデル | 2005年4月〜2006年11月 |
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この子も長いこと気になっていた一台です。出会いは馴染みのバイク屋さんであるYSP三鷹(K君のHPでおなじみの連載レーサー若ちゃんが店長を務めるお店)でした。距離は3万キロ近く走っていますが、ワンオーナーで素性も知れているし、中身については若ちゃんの太鼓判付きということで安心でした。 この子はスーパーテネレというビッグオフローダー用に開発されたDOHCツイン10バルブ(吸気側3、排気側2で、一気筒につき5バルブ)というメカで、パリダカールラリーで熟成された味のある良いエンジンを搭載しているオンロードモデルです(850ccもあるのにエンジンがとてもコンパクトですね)。 ともかくこの子は長距離を走る玄人受けするバイクで、ひとたびオーナーになると壊れるまで乗り続けたり、「TDMの次もTDM」という人が多い伝説もモデルです。 それから何といってもこの子の特徴はその独創的なデザインです。友人は以前、「風の谷のナウシカに出てくる腐海の虫」みたいと評していましたが、一般的には海洋動物みたいだといわれたりしてます。確かにオンロードとオフロードのハーフのようなデザインは類をみません。SRしかり、V-maxしかり、ヤマハは流行に媚びず、良いモデルを作ります。ちなみにTDMは2001年にフルモデルチェンジしていますが、僕はこの2型が一番好きです。スピードメーターもデジタルじゃないし、オドメーターもやっぱり機械式が良いですよね。 この子は、標高差の激しい欧州アルプス山岳路での"優れた走行性"を照準に、基本的にヨーロッパ向けに開発されたモデルでしたが、日本でも人気モデルとなりました。'97年末までの販売台数は欧州国内合わせて約6万台を記録しています(バイクにしては凄い数字)。 では、感想。まず、車体が良い。コーナーも自然で低速で切れ込むこともなく良い感じで曲がります。それから270度クランクの恩恵でしょうか、接地感が素晴らしい。高速コーナーも安心で、まるで腕が上がったような気がします。パワーフィーリングもちょうど良い感じ。XJRやV-maxのような強力な加速力こそありませんが、実に良い感じです。 低速でてれてれ走るのも気持ち良く、こんなこと書くとヤマハの開発陣に怒られそうですが、ちょっと学生時代に乗っていたヤマハメイトみたいな感じ。それと同時にパルス感がV-max的でもあります。高速を巡航してみたら、これがまた実に良い感じで、特に120〜が140kmくらいががとても快適です。スクリーンもGIVIのプロテクションの良いやつに交換したこともあって、風防性もばっちり、視界も良く、これまた良い感じです。 褒め続けていますが、燃費も良く、高速で飛ばしても20kmくらい走ります。タンクも大きいので、一回の給油で軽々300kmは走れます。150km毎に給油していた、V-maxやブースカとは偉い違いです。長距離ツーリングも安心。また、軽いので、ブレーキのタッチも良く、すいっと止まります。ワイヤー式のクラッチも軽くてタッチも良い感じ。 些細なことですが、タンクの形が良いので、給油し易いのもありがたい。V-maxやブースカやBMW1150RTで苦労したもんです。ポジションもゆったりしていて疲れず長く走れます。強いて言えばちょっとお尻が痛くなりやすいかな。あとはステップホルダーに踵を置くスペースがありますが、これがまた安心感を生みます。 という訳で、ついまた乗りたくなるバイクです。初めてバイクを憶えた10代の頃、ただただバイクに乗るのが嬉しかった頃を思い出します。久しぶりに良いバイクに回り逢えました。四気筒のエンジンも好きですが、スリムな車体もバイクならではという感じでなかなか良いです。 |
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カスタムコーナー クラウザーのパニアケースを装着 オーバーレーシングのフルエキを装着 水冷4ストDOHC5バルブ並列二気筒、最大出力80馬力、最大トルク8.2kg、乾燥重量203kg、1999年モデルの新車価格79万8000円 |